GR-SAKURAII というマイコンボードと開発キットを入手しました。
ESP32 の紹介
ESP32
2017年に日本でも発売されるようになった マイコン向けCPU です

有名な Arduino の後継に位置づけられますが
後述のようにパワーアップしています

半年ほどすると 図のような完成キットも発売され 通常こちらを使います
PC接続するための 電源 兼 USBシリアル通信用 microUSB端子 が付いてます
リセットスイッチ や 起動モード選択スイッチ も表面に実装されています
ESP-WROOM-32 | ESP-WROOM-02 | |
---|---|---|
CPU | Tensilica LX6(32bit) 160MHz/240MHz デュアルコア |
Tensilica LX106(32bit) 80MHz/160MHz シングルコア |
メモリ | RAM:520KiB フラッシュROM:4MB |
RAM:80KiB フラッシュROM:2MB/4MB |
無線LAN | 802.11b/g/n/d/e/i/k/r 2.4GHz帯 WPA/WPA2/WPA2-Enterprise/WPS AES/RSA/ECC/SHA |
802.11b/g/n 2.4GHz帯 WPA/WPA2 WEP/TKIP/AES |
Bluetooth | v4.2 | なし |
プロトコル | IPv4/IPv6/SSL TCP/UDP/HTTP/FTP/MQTT |
IPv4 TCP/UDP/HTTP/FTP |
インターフェース | I2C/I2S SPI/UART PWM GPIO SDIO ADC 10bit |
I2C/I2S IrDA PWM GPIO SDIO ADC 10bit |
能力的には 1990年前半の家庭用PCクラスです
ESP32マイコンを製作する
2017年の初旬は CPU単体でしか売られていなかったので
少なくとも USBシリアルコンバータ を別途調達してきて
マイコンの形にすることが必要です
丁度公式サイトで サンプル回路図 が公開されていて
秋葉原で部品を揃えれば作れそうだったので試してみました

実際買った ESP-WROOM-32がこれ
ちゃんと日本で使える技適マーク付き 当時 700円 今 550円 くらいで安い

これが今回の秘密兵器 L型2列ピンヘッダ
CPUパッケージのピッチが 1.27mm ですが これを一般的な 2.54mm の
ブレッドボードや回路基板に挿せるようにするために配置変換させます

ピンヘッダの L字の部分をペンチで加工します
加工時の安定性確保のために 2列ピンソケットに挿した状態で 曲げていきます

加工中を横からみたところ ピンヘッダの上の段と下の段 が交互に
半ピッチずつずれて折り重なるようにします 上下段で 1.27mm ピッチになります
こうやって合計 38ピン 分の L型2列ピンヘッダを作ります

ピンヘッダ と ESP-WROOM-32 を はんだ付けする直前の状態
このように L型ピンヘッダを一旦 基盤に挿し込んで固定します
ESP-WROOM-32 をピン間に挟み込んで固定します
ピッチが合っていることを十分確認してから はんだ付けします
はんだの載りを良くするためフラックスも塗った方がよいです
CPUを熱で壊さないように冷ましながら はんだ付けします
マイコン化する
CPU部分は ユニバーサル基盤にはんだ付けられるようになりました
残り Arduino相当にするために必要なのは
- GPIO各ポートの ピンソケット
- 安定電源を供給するレギュレータ
- USBシリアル
ESP32 DevKitC
ESP-WROOM-32を利用した マイコンキットとして ESP32 DevKitC があります
USBコネクタ USBシリアル レギュレータ などを備え Arduino IDEと連携して
IoT開発をすぐに始められます

USB接続した PCからのノイズが原因なのか 個体により Arduino IDEのビルド書き込み時に
自動リセット + 書き込みモード 起動がかかりづらいことがあります
対策として EN-GND 間に 1μF程度のコンデンサを挟むとよいようです

Auraboxで遊ぶ
Auraboxの改造
まだ具体的な機能追加などできてませんが Aurabox の改造をしてみたレポートです


Auraboxとは 主要機能としては Bluetoothスピーカですが
ところがもう一歩進んでいて「攻めた」機能を持っています
スマートフォンと連動しプログラマブルな表示ができる LEDディスプレイ
マイク や 温度センサ や バッテリなど独自の作り込みが行われています

パッケージの中身です 黒で統一されています
化粧箱もがっちりとした強度で 実はこちらも気に入っています
中にマイコンが入っていて IoTデバイスとしての使い方もできるのでは? と思い立ち
中身の調査をすることにしました

まず本体を覆っているゴムのような材質のカバーを慎重に取り外し

プラスチックケースをこじ開けます スイッチ類のところからが比較的開けやすいです
左下の丸いものは実は マイクで間違ってドライバを突っ込んで壊してしまいました

何とか開きました 基盤 大きなスピーカ バッテリが見えます

バッテリ や スピーカ に接続しているケーブルを外しました
ここから部品構成を確認していこうと思います

Auraboxのインターフェース部分です
操作用のスイッチと 左下に(壊してしまいましたが)スピーカ そして
スイッチの上に見える突起は温度センサでしょう

ディスプレイの丁度背面にあたる部分の基盤です ICが4つくらい見えます
中央のは STM8 と刻印されています LEDディスプレイ制御用の 8bitマイコンですね
残りの 3つは型番を調べたところ LEDコントローラです

Auraboxのメイン基盤です
特に左側の青い基盤はマイコンとなっていて 3つの大きな ICが載ってます
写真中央右の大きめのICは オーディオアンプです
写真右のチップは 電源制御関連と思われます
ICの刻印をネットで調べながら 次の構成が見えてきました
AK1050 | 安凱微電子(ANYKA)製 ARM926EJ-Sプロセッサ ARMv5TE(32bitARM+16bitThumb) 192KRAM |
STM8S003K3 | STM8 8bitCPU |
25Q16CS1G | 2MB Flashメモリ |
MBI501* | LEDコントローラ 2つ |
MBI502* | LEDコントローラ |
HT6818 | 3.3W Ultra Low-EMI Anti-Clipping ステレオD級オーディオアンプ |
MT5036 | 6.6A 800kHz 96%変換効率 バッテリコントローラ |
REALTEK8761AT | Bluetooth2.1~4.0LE UART制御コントローラ |
ほとんど中国製の部品で作られています
今回写真の部品を取り付けました
壊してしまったマイクとシリアル用のコネクタです
シリアル用のコネクタは Auraboxのフラッシュメモリを直接外から読み書きできるよう
外出しするためのものです フラッシュメモリを書き換えられれば自由に制御できるかなと…
フラッシュメモリに線をはんだ付けして外だしします 写真の右の方です
こうしてどうにか マイクを交換し シリアルコネクタを取り付けました
一応元の機能のまま Auraboxは動作しています
フラッシュメモリのデータ吸い出しなどは まだできていません (2017-12)
GitHubには こんなプロジェクト も見つけられます
時間を見つけて試してみたいですね